【レポ】アテネのタイモン



チケット取るの大変だった

私は友の会に入っていないので、普通にネットからチケット取ったんですが、すごい勢いでチケット消えました(笑)

「どうしてこんなにチケット捌けるのが早いんだ!!」とTwitterで騒いでいたら、優しいかたが「シアタートラムだからですよ」って教えてくださいました!今までパブリックシアターしか入ったことなくて、シアタートラムっていう小さなホールがあること知らなかったんですよ。

なので、会場入る時も迷子になりました。
しかも、劇場内のトイレが激混みで、キャロットタワーまで戻ってたら解説に間に合わなくて途中入場になった。悲しい。

初めてシアタートラムへ行く方、お気をつけて!!


配役

野村萬斎:タイモン
石田幸雄:アペマンタス・ルーシアス・元老院議員
深田博治:フレイヴィアス
高野和憲:詩人・サーヴィリアス・ホーテンシアス・貴族
月崎晴夫:画家・貴族・召使い・元老院議員・フラミニアス・タイタス・
野村太一郎:アルキビアデス・イジドーの召使い・センプローニアス・
中村修一:商人・貴族・召使い・ヴァローの召使い・ルーカラス・山賊・
内藤連:宝石商・貴族・召使い・ケイフィス・ルーカラスの召使い・外国人・ルーシアスの召使い・山賊・元老院議員
時田光洋:ヴェンティディアスからの使者・ヴェンティディアス・タイモンの召使い・フィロータス・アルキビアデスの兵士

多すぎるw違えてたらすみません。

見るの辛かった

ダメージ100

自分の黒歴史が垂れ流しにされているようで、マジで見るのがつらかった。全体的に、私の傷が抉られてるみたいで辛いwwwwwwwダメージが大きすぎて立ち直るのに1週間くらいかかりました。

私は洞窟に引き籠る気持ちも、引き籠ったのに元気にならないで自殺するのも、海に帰りたくなるのも、訳わかんない内容を墓跡に書くのも、全部共感できるんですよ(笑)多分、これに共感できるのは若い人の方が多いんじゃないかな。若い人の方がウケがいいんじゃないかなと思いました。知らないけど。

16〜22歳くらいまでの私は、タイモン君だってと思う〜〜。三年前まで私はタイモンだったのでよく分かるるるる〜〜。元人生に絶望した引きこもりになりきれなかった引きこもりとしては、タイモン君の生き様を他人事だとは思えないなぁ~はははは(・∀・)

私は演出も詳しくないし、歴史も詳しくないし、何の専門性もないので舞台について語れることは「凄かった!」しかないけど、一人の人間として思うことは色々あって今わたしは人間やってるのが辛いwwwwwwwwwwwww

還りたいよね

私は海に還りたいとは思わなかったけど、森に還りたい、土に還りたいが口癖だったし、今でも割といいますね。
なんでしょう。人に還るんじゃなくて、自然に還るんですよね。そこは非常に重要な問題なんですね、私的には。人間なんて信用できないってのもあるし、他人なんて頼れないという感覚や、両親との不仲などもありますが「還る場所は人間でも神でもなく自然である」これはタイモン君の言い分は非常によく共感できます。

散文詩?日記?

私の中で「最後の墓跡の文は、散文という名の日記(人生の感想文)なんじゃないか説」がかなり濃厚であります。なぜかと言うと、私自身が遺書という名の日記に同じようなこと書いていたからですよ!!!!言わせるなよ恥ずかしいな!!!(笑) 
私の日記には「これを読むころには人間がすべて全滅しているだろうけど」的なことを書いていたと思います。もうね、人間に見つけられることさえ嫌だったんですよね。どうせ誰も自分を見つけられっこないと思ってましたし、見つけてほしくもなかった。あと、自分が死んだあと、すべての人間も苦しみ朽ちればいいと思っていた節もあった。
もっと簡単に言うなら
「全人類、十分に苦しんで死んで下さい。ま、私は先に死ぬのでしったこっちゃないけど。」かな。

多分埋葬してくれた人が、落ちていた遺書を張り付けてくれたんじゃないのかなぁ、知らないけど。


人間ってマジでクズだと思う


私はお金ではなかったですけど、他人から返ってこなかった時って本当に絶望だよね。私の場合は時間だったかな。

散々”解決する気もない相談という名の愚痴”を聞かされて、こっちが悩んで相談するとすごい嫌がるんですよね~。こっちは共感覚強過ぎて、話聞くだけでも映画を10本くらい見る労力なのに、こっちが相談したら嫌がられるんだぜ。意味わからん。

ま、今では他人の言っていることも相談内容も左から入ってきて右に抜けるのですべて記憶から抹消していますが。

それも、避け方もめっちゃ似てるんすよね。
「あー今から遊びに行く約束ちゃってて〜」とか、「もう先約がいる」とかね。お前のTwitterのログイン状況見てたら遊んでないことくらい分かるんだぞコノヤロウって思ってたし「千尋は聞き上手だよね」って言って私の特性のせいで話しちゃうという責任転嫁する奴もいたなぁ。あの子どうしてんだろうな。

みんな求めるだけで私に返してくれないから、私が自力で立ち直って元気になるしかないじゃないですか。だから一人、ふっと消えて一人で立ち直って帰ってくると、また「聞いてよー」って群がってくるんだよね。
「お前らは生ごみに集るハエか」と思った。

何度「階段から落ちて頭打て!」と思ったかわからないし、「こいつらが消えたらどのくらい私の精神衛生が良くなるだろう」と思ったし、その時は親にもやられてたからマジで世界恨んでたし、死んで親に後悔させようと思ってたしね、本当ね、わたしはタイモンといい友達になれるよ!(笑)一緒にマッドサイエンティストになろう!!!

死んで復讐

死んで復讐はマジでわりと共感しかないですね。実際私もそうしてやろうと思っていましたし。だって自分が持ってるものって自分という存在だけなんですもん。武器は自分しかないから。死ほど人を精神的に殴り付けられる手段はないと高校生の時の私は信じていたので、死んで復讐は最終手段として私の中ではアリでしたし、計画してましたね。

あと、タイモン君を見ていてフォイエルバッハの「人を恨むのは、ねずみ一匹を追い出すために家全体を焼き払うものだ」という言葉を思い出しました。人を恨んで自分を焼き払ったタイモン君。

0と1で構成された世界

タイモン君と私の共通点として、全てを恨んで疑って「人間全てが敵だ」と思ってることかな。執事さんみたいな人(自分を心配してくれる人)はいるんだなって理解はしてるんだけど、それを受け入れてしまうと自分の怒りの感情まで嘘になっちゃうからそれを受け入れないで、突き放しちゃうんだよね。馬鹿だよね~。

「どこが嘘なの?」って思う人もいるだろうけど、「すべての人間は敵だ」という前提で「だから人間はクソだ」と怒っているので、「敵じゃない人間もいるかもしれない(=執事)」という事実を受け入れると、前提条件が崩れ嘘になるので、自分の「だから人間はクソだ」という怒りまで嘘になるんだな~。


「当時は凄く嫌だったけど、自分がこう育てられてうまくいったから、自分の子供にも同じことをする」親っているじゃん。
「自分の上司にすごく嫌な指導をされたけど、自分がうまくいったから部下にも同じことをする」上司っているじゃん。それも同じことだと思うんだよね。
「当時の嫌な事をされたけど、自分はうまくいっている」んですよ。なんならそれに誇りを持っている。自分はつらかったけど、頑張ったって言う誇り。
なのに、同じことをしても自分の子供も部下もうまく育たない。「もしかしてこの方法はよくないんじゃ?」とは思うんだよ。でも、その方法を否定すると、自分の人生・誇りを否定することになるだから受け入れられない

まぁ、これうちの親の話なんですけどね。


彼の中には0と1しかないから”人間はいつもグレーの中で揺れながら生きてる”ってことが理解できないんだよな~。本の注釈で信用経済が盛んだったって書いてあったから、きっとその信用経済は「どれくらい信用できるか」の尺度なんだろうけど、彼の尺度は「信じられるor信じられない」だから当時のアテネでは非常に生き辛かったんではないかと思う。
社会の規範がそれだったってのもあるけど、それと本人の性格が相まって人間不信になったんだろーなーと思う。まあ物語なんだけどねwwwwww

神の視点、むじょう?って仰ってたけど、周りからはそう見えるんだなーって。当人からしてみればマジでただ「興味ない、気にならない、関係ない」っていうそれだけのことなんだよね。世の中がどうなろうと関係ないから気にならないしそもそも興味もない。勝手にやってればって感じ。だって洞窟の中には関係ないし。

裏切られたのではなく、取られた

「タイモンという主人公が、周りに裏切られた」っていう言葉で表現してるけど、本当のところ当人としては、裏切られたんじゃなくて「取られた」って感覚が強いんじゃないかと思う。だから、裏切られないように動こうとかじゃなくて、引きこもったのに元気になれなかったんじゃないかなと。

裏切られたのなら、人と関わらない洞窟で過ごすことで回復するはずはずなんですよ。「取られた、なくなった」って感覚の人は、人を避けるために引き籠るけど、誰も補充してくれないし、自分でも補充できない(怒りも絶望で頭狂ってるので無理だ)から、結局無のまま。いつまでたっても心に穴が空いたまま。だから元気になれないんよなぁ。

最近巷で「人に与える人が結局一番得してる」みたいな本があるけど、それの失敗例として是非、アテネのタイモンはみんな読むといいんじゃないかな。

教師としては

ただ教師としての私は完全に執事側ですね。本人が気が付かなきゃどうにもならないし、気がつくまで何度も言うしかないし、そういう意味では執事に共感するものもあったかなぁと思います。

今見ると、「同時の私ってあんな感じだったんだなぁ」って思って、周りの人間がどうしてああ言う態度をとっていたのか、という当時の疑問を色々納得できる形で理解できた部分もあった。いや、だって普通の人だったら、あんなことになっている人に怖くて近づけないじゃん(笑)私なら近付くけどwww
ま、今だからわかることですけどね。当時の私がこの公演を見ていたら(「タイモン君に会いに行く」というわけ分からない理由で人生終わらせていたと思うので、見なくてよかったなと思う(笑)

公演のこと

名前の後にス多くない?ww
あと召使の服が、執事以外みんな鳥で可愛かった。

萬斎さん

萬斎さんね、もうちょっとなんて言えばいいかわからない。感嘆詞?なんか「あぁーー」みたいな台詞じゃない声?が心に響くのよ。
動きもすごく良かった。良かった?ってなんかへんな言い方だけど、根っこ探す時の動き?あれはもうなんか見てて眉をしかめるくらい、うってなった。なんか人間臭さが出てたと思われます。それに、静止画があまりなかったという点で動きが良かった?と思いました。

あと最後の解説?で話してる時に、グデーンってなってんのめっちゃ面白かったwwwww素では無いんだろうけど、穏やかそうで良かったwwwww


高野さん

高野さんの声の聞きやすさにびっくりした(笑)本当に聞き取りやすくて私は感動した!!!能楽堂だと太一郎さんの声が一番聞き取りやすいんだけど、シアターだと高野さんの声が聞きやすかったです!!

太一郎さん

太一郎さんといえば自分がセリフを言わないステイの時も演技されていたことと、役によって声色をちゃんと変えて違う人物になっていたのが流石だなって思った!

石田さん

石田さんの話し方の抑揚は物語にアクセントをつけてくれたので、普段笑うタイミングを逃す私も、私も周りの人と一緒に笑えました!!(笑)
私の中で石田さんと月崎さんはソーキューティーなイメージだったので、石田さんの哲学者の役はまた違う一面が見られたようで面白かった!

深田さん

そして深田さんの安定感な!!!あの安定感が非常に執事という役どころにマッチしていて、一番違和感のない配役だった気がしますね。当たり役だったと思います。

中村さん

あと兵士中村さんの姿勢が美しかった。キリッ!ピシッ!ってしとった。有能な兵士というより、有能な参謀感あっていいなと思った。


解説の話

死ぬという点において、オイディプス王もタイモンも裏返って戻ってないんだけれども、オイディプスくんもタイモンくんも潔いよな。つかどっちが裏か表かなんて分からないし、どちらが正しいとかもないんだから、ただそういう性格に変わったという事実と、それを引きずりながら生きるじゃダメなのかな~と思いました。
私は全力で引きずって生きる所存です。二十歳で死ぬ予定だったのに生きているので。

タイモンくんはただ人として成長する過程を一人で乗り越えるには不器用すぎたってだけだと思うんだよなぁ。周りに適切な大人がいなかったんだよなぁ。タイモンくんが何歳なのか知らんけど。いやーでもなータイモンくんのあのひん曲がったグレ方はなぁーわかるんだよなーwwwww

でも普通に考えて、これから死んでこの世とおさらばしてやろうって奴が、わざわざ逃げ出したい場所で求められても戻ろうとなんて思わないよね。
私もだけど、わりと簡単に死にたいって言っちゃうけど、本当はそこまでに言葉にならない複雑な記憶とプロセスがあるんだよなぁーあー。と思いました。

まとめ

主人公が死ぬという点において、オイディプス王と同じくらい面白かったと思います、が、やはりオイディプス王はなー強いんだよなーww私の中ではオイディプス王の次にアテネのタイモンかなぁと思います。
オイディプス王は全く知らないで読めば推理小説になり得るし、知ってて読んでも心が痛くなるので面白い本だと思います。何回読んでも面白いからスルメ本と呼んでる。私のベストオブスルメ本!!私を読書好きにしたのはソポクレスです。

私的には人生という一本の線があって、それを故意的な場所で切り取ったものがたまたまおもしろいと喜劇、悲劇なんじゃねーかと思いました。

なんか今回のアテネのタイモンは、出演者より、物語の内容に触発されてしまってよく見てなくてごめんなさい。だって自分の黒歴史ノートを曝け出されてる所、冷静に出演者の方々を見るなんて無理だよ……。

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