【旧】狂言の台本 ②和泉流



和泉流の台本


台本のURLを張りまくるという鬼畜記事
前回の大蔵流に続き、今回は和泉流になります。

萬斎さんの流派!私、歓喜!(笑)


和泉家の六義の流れとしては

①天理本
②和泉家古本
③波形本
④雲形本

⑤古典文庫本/⑥三宅庄市本


らしいので、見つけられたものから。



①天理本


正保3年(1646年)山脇和泉元永、書写。(三冊)227番
天理本は通称です。複製本の出版社が天理出版&原本の所蔵が天理図書館だから?
そういう通称で呼ばれているのではと思います。


原本:「狂言六義」


 【天理図書館検索ページ】
この天理図書館所蔵の「狂言六義(写本)」が複製の原本なのでは?と予想しています。
 あくまで私の推測なのでアレですが…(笑)
本当は四冊あるらしいですが、見つからないそう。(複製のあとがきに書いてあった。)


複製:「狂言六義」(上・下・抜書)


 CiNii 大学図書館検索ページ
 あとがきに素敵な話が載っていました。
 本を愛する先生と、愛していた本を大切にする奥さんと、先生を慕う学生と…。
 何となく、温かい気持ちになりました。


翻刻


1)「狂言六義全注」 著:北原保雄・小林賢次


  CiNii 大学図書館検索ページ
  実際に国分各研究資料館で読みましたが、少し見づらい印象です。
  現代の台本のような登場人物で段落が変えて記載されているわけではないからですね。

2)中世の文学シリーズ「天理本狂言六義」 (上・下)


  著:北川忠彦・橋本朝生・関谷俊彦・田口和夫・永井猛・稲田秀雄
  CiNii 大学図書館検索ページ
  まだ読んだことがないので、いつか読んでみたいですね。




②和泉家古本


承応~元禄(1652~1704年頃)、山脇和泉元信、書写。(七冊)
そのうち二冊が抜書で、計221番。


原本:?


 和泉元彌氏所蔵と書いてあるサイトもありました。
 このサイトの「内容」のところ

複製?翻刻?:「日本庶民資料集成 第4巻 狂言」 

校注:池田広司
 記載されているのは第4巻のみです。シリーズものなので、巻数をお間違えないように。
 CiNii 大学図書館検索ページ 





③波形本


 天明6年(1785年)頃。早川幸八、書写。(251番)

原本:?


狂言共同社井上菊次郎氏所蔵と書いてあるサイトもありました。
 このサイトの「内容」のところ
 

複製・翻刻:?





④雲形本



 文政末年(1829年頃)。山脇元業、書写。
 これを記載していない本さえあるので、まったく情報がない。(笑)

原本・複製・翻刻:?





⑤古典文庫本


  はい、きました~。一番情報が錯綜していて訳わからない、通称「古典文庫本」。
  古典文庫から出版されたから通称「古典文庫本」…。ここまでは容易に推測できます。
  問題は「原本が何なのか」です。本によって書いてあることがバラバラなんです。


仮説その1


  『雲形本を増補したものの複製』説
  これは”新古典文学大系 狂言記”に記載されている解説です。
  古典文庫本:文政年間末、七代山脇和泉元業書写の雲形本を増補したものの影写本。
  引用は「和泉流狂言集」(古典文庫)による。
  と書いてありました。何からもってきたものを増補したのか…。どういう意味での増補なのか…。


仮説その2


  『清団子書写の複製』
  これは”日本古典文学全集35 狂言集”にかかれています。
  和泉流狂言集(古典文庫、20冊):和泉流の狂言師「清団子」の書写台本の複製。
  原本は天保十四年ころのもの。小早川本、斑山文庫本とも呼ばれる。


  え?(笑)
  本によって、古典文庫本の原本が違う?
  それとも二つの仮設を合わせて、雲形本に清団子さんの書写を増補して複製したもの…という事?
  これはまだ調査が必要ですね。
  


⑥三宅庄市本



  またの名を「三宅庄市旧蔵本」らしいです。
  江戸末期、幕末。和泉流の三宅庄市手沢さんの本。

 原本:?

 複製・翻刻?

 1)「狂言集成」 

著:野々村戒三・安藤常次郎

三宅庄市手沢本を中心に、約280番、ほかに三番叟・間狂言などを集成したもの。
  春陽堂出版。
  CiNii 大学図書館検索ページ

 2)「狂言集成」 

著:野々村戒三・安藤常次郎

1)の複製。
  能楽書林出版。能楽書林は能楽タイムズを出しているところですね。
  CiNii 大学図書館検索ページ
 

 3)狂言三百番集 

著:野々村戒三・安藤常次郎

狂言集成から間狂言を除き、約20番を増補。
  CiNii 大学図書館検索ページ





<その他の資料>


和泉流秘書


和泉流狂言の台本。127曲。天理本・和泉家古本・波形本に次ぐ古い台本だそう。
誰の書写かはわからないですね…。
これはどこに含めればいいのかわからなかったので、その他にしました。

原本

愛知県大学図書館 貴重書コレクション

複製

「和泉流狂言選」 編:島津忠夫・野崎典子

 「和泉流狂言選:愛知県立大学附属図書館蔵.続」 編:野崎典子・小谷成子
  CiNii 大学図書館検索ページ 


翻刻


 「和泉流秘書 翻刻・解題」 著:野崎典子・小谷成子




和泉流狂言大成


大正7~8(1919年)17世山脇和泉著? 出版者は、わんや江島伊兵衛わんや書店ってありますよね。

原本?

国立国会図書館デジタルコレクション 第1
 第2
 第3
 第4
 



一子相伝之秘書


 14世七代山脇元業が父祖から伝えられた心得などを記したものらしい。
 プロフェッショナル仕事の流儀に萬斎さんが出演されて、狸腹鼓について言及されていた時にも、
 「一子相伝」という言葉が出てきていましたよね。





原本


複製・解題

「一子相伝之秘書」 編集:雲形本研究会 出版:八木書店
 1998年出版。巻末に解題。
 八木書店販売ページ






感想



ここまでまとめましたが、いや~骨が折れる。(笑)
少し不思議なのは、山脇・三宅系列の名前はあっても、野村さん系列のお名前を一度もみかけませんでした。
台本に限らず、狂言関連の物事は、調べれば調べるほど沼なんですよね。
歴史が長い分はっきりとした正解にたどり着くまでに割かし時間がかかるし、正解が見つからないことがある。(笑)

あと残るは、鷺流と三流派意外ですね…。
いつ終わるんだろうこれ…。(笑)



コメント